思い出のぬいぐるみ

人は歳を取りますと子供に還ると言いますが、話す言葉もあーあーうーうー、食事を食べさせてもらい、おむつを着けて寝てばかりいるのはまるで赤ちゃんの様ですが、赤ちゃんがぬいぐるみが傍にあると不思議と穏やかになるように、高齢者の方でもぬいぐるみがあることにより穏やかに過ごせることがあるのです。

ホームに入所していた高齢者の方が大切にしていたぬいぐるみ、ボロボロになってくたびれていますが、それでもずっと可愛がってもらったことで、魂が籠っているのです。

人生の連れ添いを亡くして独りぼっちになっていても、最後まで連れ添ったぬいぐるみは可能であれば亡くなった時の棺桶に入れて差し上げれば最後まで連れ添う事が出来ますし、一人ぼっちで寂しい思いをしなくて済みます。

案外葬儀の時にはバタバタしていて、大切な物を棺桶に入れることをわすれてしまいがちですが、もし棺桶に入れることを忘れてしまっていても、決して捨てるようなことはしないで、お焚き上げ供養で亡き人の元に届ける事が出来ます。

亡き人の元に届けられることによって供養となり、暖かい心が手向けられるのです。

死後の世界に実際にこの世の物を持って行くことは出来ませんが、気持ちや思いといった目に見えないものだけは持って行くことが出来るのです。

気持ちや思いなどの目に見えない物をあの世に届けて差し上げることを供養と言うのです。